丸山隆平さんへのラブレター
丸山隆平さん、32歳のお誕生日おめでとうございます。
私が貴方を好きになって、初めて迎える貴方のお誕生日です。
まだ好きになってから1年も経っていない私に貴方の何かを綴ることなんてできるとは思いません。
でも、私は、好きの気持ちには、深さや重さとはまた別に、鮮度があるとも思っています。
きっと人生で今にしか感じられない、イキイキとした好きの気持ちがあると思うのです。
だから今の気持ちをこの記念すべき日に、文字にしておこうと思います。
24日のベストアーティストで、KAT-TUN田口くんの脱退が告げられました。
田口くんは、丸山くんを好きになって、ジャニーズに興味を持って、関ジャニ∞の次に好きになったアイドルでした。
色々思うことはあります。でも1番痛感しているのは、アイドルが明日もアイドルでいてくれる保証なんてどこにもないこと、そして、私が明日もアイドルを好きでいる保証もどこにもないということ。私はあの瞬間を目撃して、この現実を無慈悲に叩きつけられた気持ちになりました。
もしかしたら明日、応援しているアイドルがアイドルでなくなってしまうかも知れない。もしかしたら明日、私が応援しているアイドルに愛想を尽かしてしまうかも知れない。
ファンとアイドルって、それくらいに温度のない関係なのかもしれません。
それでも、今この瞬間の貴方は、アイドルとして生きてくれています。今この瞬間の私は、貴方が好きです。
当たり前が当たり前じゃないことを知らされて、当たり前に感謝できる今。
そんな瞬間に、図らずも、貴方のお誕生日を迎えます。
丸山隆平くんがアイドルを生業としてくれていて、私がそれを大好きだと思える当たり前について、綴ってみようと思います。
* * *
関ジャニ∞が好き、と言うと、「そうなんだ!誰が好きなの?」と言われます。そこで丸山くんが好き、と言うと、「丸山くんなんだ?ちょっと変わってるよね?なんで?」という反応をされることがあります。
来やがったぜ、いつも私はそう思います。
何故ならもう、言いたいことは山程あるのに、頭の中はゴチャゴチャで、語彙力のない私はいつも「…背が高くて脚が長いからでしゅ……」とかいうゴミみたいな返答しかできないからです。
でも、それくらいに、丸山くんの魅力って、伝えづらい部分があるんですよね。
まあ、単に私が考え過ぎなだけな気がしますが。
アイドルの仕事って、なんでしょうか。
よく、「アイドルは夢を売る仕事」だなんて言われます。しかし、このアイドル戦国時代において、ただステージの上できれいなお顔の人がキラキラの衣装をまとってキラキラの夢や希望や愛や恋を歌っているだけじゃ、世間は飽き飽きしてしまっているのが本当のところでしょう。
私は、アイドルに関しては超がつくほど駆け出しの身ですので、全くもって詳しくありません。だから個人的に思ったことしか書けませんが、今の世の中、アイドルには何かしらの「+α」が要求されている気がします。そしてその「+α」がアイデンティティとなり、セールスポイントとなり、アイドル活動の基盤になる。そんな印象を受けます。
そういう意味で、関ジャニ∞は「元祖異端アイドル」とでも言えるのかも知れません。
アイドルなのに関西弁。アイドルなのに面白い。アイドルなのにアイドルじゃない。関ジャニ∞にとっての「+α」とは、「アイドルらしくないこと」。彼らは、そうやって脚光を浴びたのだと思います。少なくとも、ファンになる前の私は、関ジャニ∞にこの、「アイドルなのにアイドルじゃない」を、期待していた気がします。
関ジャニ∞は、そんなふうにアイドルでありながら、アイドルから遠ざかることを求められてきました。
そんな環境で、誰よりもアイドルという職業に真面目なのが、丸山くんだと思うのです。
「夢を売る」という仕事に対して、彼ほど真摯で真面目なアイドルを私は知りません。(勿論今のところ、ですけれども。)
きっと私は、丸山くんの、そういうところが大好きで仕方ないのだと思います。
えっ、あのスベリ芸の丸山のどの辺が?って、普通の人なら思うでしょう。けれど残念ながらもう普通の人ではなくなってしまった私は、その、スベリ芸の丸山こそ、丸山くんがアイドルという職業に、関ジャニ∞というグループに、真摯に向き合い続けた結果だと思っています。
丸山くんの、底抜けに明るく元気でよくスベってる人っていう、世間のイメージは、丸山くんが丸山くんなりに、関ジャニ∞であるために生み出したアイドル像だと思うのです。
お察しの通り丸山くんはあんまり面白くありません。(好きだよ♡)横山くんや村上くんのように恵まれたトーク力があるわけでもありません。錦戸くんや大倉くんのように、一目で女の子を虜にするルックスを持っているわけでもありません。
それでも、丸山くんが関ジャニ∞の一員として世間一般にあるイメージを持たれているのは、とにかく彼が、関ジャニ∞というアイドルグループの一員であることを受け止めて、アイドルから遠ざかったアイドル、「異端アイドル」になることを追求し続けた結果だと思っています。
渋谷くんや村上くんには、関ジャニ∞になるべくしてジャニーズに入った人という印象を受けるのですが、丸山くんに関しては一切その印象を受けないのです。彼は、関ジャニ∞という場所に置かれた自分を見つめて、作り変えて、関ジャニ∞にしていったのではないでしょうか。
だからもしもの話ですけれども、丸山隆平というアイドルは、関ジャニ∞というグループに所属していなければ、全く違う人格だっただろうなと思う時があるのです。正統派のキラキラかっこいいグループであれば、正統派のキラキラアイドルに、自分自身を作り上げていっただろうな、と。
そういう意味で、「偶像」の意味を持つ、アイドルという職業に、これほどまでに真面目で真摯に向き合う人を、私は他に知りません。
ここまではまあ、私の妄想に過ぎないのかも知れませんが、私はとにかく丸山くんがアイドルという職業に手を抜いている瞬間を見たことがありません。メイキングで振り付けを覚えられなくて発狂しているところを抜かれはしたものの、それは一生懸命苦手に手を抜かず取り組んでいる何よりもの証拠です。実際、コンサートではばっちり仕上げてきているのですから。
ワイプに映るだけの番組でも自分の顔が抜かれると何かしらしてみせるところ。手を振るだけでいいコンサートで、うんざりするくらいの人ひとりひとりを見て伝わるかどうかも分からない細かい返事をしてくれるところ。歌によって声質を少しずつ変えてみせるところ。ダンスをしながら表情を作るところ。メイキングでもたくさんカメラに映ろうとしてくれるところ。挙げ出したら、きりがありません。
丸山くんは、アイドルというお仕事にとにかく真面目なんです。
アイドルというお仕事に不真面目になることを求められる関ジャニ∞というグループに身を置きながら。
関ジャニ∞の一員として、底抜けに明るいスベり芸アイドルでありながら、アイドルとして、「夢を売る」仕事にも手を抜かない。
それが、私が丸山くんから受ける、「アイドル像」です。
私はこの、アイドル像にとても惹かれています。丸山くんの見せてくれるアイドルとしての姿を、ずっと見ていたい。
しかし悲しいかな、世の中はそんなに甘くありません。
アイドルのアイドルでない姿に対して、「知りたい」オタクと、「知りたくない」オタクがいるとしたら、私は確実に後者です。
丸山くんが「ほらほらみんな見て見て!」って言ったことか、「もぉ~仕方ないな!ちょっとだけだよ♡」って見せてくれたこと以外は目にしたくないのです。なにせ、アイドルとは偶像。作られた、崇拝の対象なのですから。
でも、残酷なことに世の中は「知りたくない」オタクが生きにくいようにできています。ネットで検索しようものならすぐに見たくないアイドルのアイドルでない時の姿があっという間にドーンと出てくるのですから。
…正直、この手の話は私も好きではないのであまり触れたくはないのですが、語彙力のない私には他に上手い喩えができないので敢えて触れます。
丸山くんは、そういう、「知りたくない」アイドルの姿を我々オタクに残酷に叩きつけてくる、週刊誌の類にすっぱ抜かれたみたいなことが、ほとんどありません。
誤解しないで頂きたいのですが、私は別にすっぱ抜かれたことがあるアイドルが嫌いなわけでも、すっぱ抜かれないアイドルが好きなわけでもありません。そもそも、アイドルは恋愛禁止という文化自体に疑問を持っているので、もっとアイドルも気軽に恋愛をして、結婚をして、という世の中になればいいのにな、なんて思ったりもしています。嫌いだとすればそれは、それがまるで悪いことであるかのように掲げてきて、それでお金儲けをする連中です。
…話が逸れそうなので元に戻しますが、とにかく、この世界に同じ人類として存在する以上、アイドルがアイドルでない瞬間を我々オタクが知らない世界で過ごしているのは当たり前のことです。
そしてそれを「知らない」で済ますことは、とても難しいことなのです。
しかし、丸山くんは、この「知りたくない」というオタクの贅沢な欲求に答えてくれるのです。
私はこの、「見せないものは見せない」という一面にも、丸山隆平というアイドルがどれだけ真面目に「夢を売る仕事」に取り組んでいるかを伺うことができると思っています。
重ね重ねになりますが、私は別にすっぱ抜かれるアイドルを否定しているわけでも、すっぱ抜かれないアイドルを賞賛しているわけでもありません。だから勿論、丸山くんのすっぱ抜かれないところが好き、というわけでもありません。ただ、丸山隆平というブランドにおいて、すっぱ抜かれることがNGとされている事実が凄いと思ったまでです。
すっぱ抜かれるということは、勿論、プライベートでの姿を晒されるということ。アイドルでない時の姿を見せつけられるということ。
それは一部のオタクにとって、何よりも辛いことかも知れません。
丸山くんはそのオタクの「見たくない」というワガママな欲求を汲み取って、全力で隠してくれるのです。
別に、週刊誌の恋愛沙汰に限った話ではありません。だって、丸山くんは我々オタクより遥かに近くにいるメンバーにすら「私生活が謎」「プライベートとギャップがある」と言わせますよね。
これって、実は凄いことだと思うんです。
誰かに姿を見られる時は全力でみんなのマルちゃんを演出して、そうでない姿は一切隠す。
私はこの「マルちゃん」と「丸山隆平」の線引きが実に巧妙で、彼の魅力の1つだとも思うのです。
愉快で楽しいみんなの「マルちゃん」が、「おいでおいで、全部見せてあげるよ、僕は君だけのものだよ!」って両手を広げてくれるけれど、ある一点に踏み込もうとするとくるりと背中を向けて「ここから先はダメだよ♡」って、絶対に見せてくれなくなるみたいな、徹底された「見せる」と「見せない」の境界線。
時々我々がうっかり目にする「丸山隆平」としての一面にゾッとするのは、まさにこの線引きが徹底されているからなのです。
「マルちゃん」が「丸山隆平」になった後の、メンバーさえも知らない世界。そこで彼が何をしていても、私は一向に構いません。知りたくもありませんし興味もありません。こんなことを言うとマルちゃんの一面しか好きじゃないみたいですけど、私はそうやって自分なりのアイドル像を演出する丸山隆平さんが大好きなんです。
だって私が好きなのは、「アイドル」であり「偶像」なのですから。
丸山くんはそんなふうに、オタクの「見たい」に全力で答えて、オタクの「見たくない」を全力で隠します。
「夢を売る仕事」に、「そうでないものは隠す」ということが含まれるのかどうかは私にはわかりません。でも、少なくとも丸山くんにとっては、それも任務の一つなのです。
「夢を売る仕事」のスペシャリストですから。
* * *
少し話は変わりますが、メディアで「いい人」キャラを貫き通すのって、実は物凄く疲れることだと思うんですよね。
誰とは言いませんしその人を否定しているわけでも全くありませんが、性格が悪いキャラで通っていたり、女の子とスキャンダルがひっきりなしのキャラで通っていたりするアイドルはたくさんいます。
でも、オタクって夢見がちなくせに変なとこで冷静ですから、意外とそういうのって許せちゃうものなんです。「ああ、またか。仕方ないなあ」の1言で済まされちゃったりするし、だからといってその人がアイドルとして魅力的なことに変わりはないのですから。
かたや、「いい人」キャラで貫くのは非常に難しいです。
極論、ジャイアンがいいことをすれば物凄くいい人に見えるけど、しずかちゃんが悪いことをすれば物凄く悪い人に見えるっていう話です。
「いい人」であろうとする限り、アイドルであるときもそうでないときも、細心の注意を払ってブランドに傷がつかないよう努めなければなりません。
だから私は、これは丸山くんに限らずの話ですが、「いい人」というイメージが浸透しているアイドルは本当に凄いなあと思います。そして同時に、たくさん苦労してきただろうなあとも。
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これだけ書いてきて、丸山くんがどれだけしんどい世界で20年近く生きてきたのか考えると、ちょっと私には信じられないものがあります。
そんなに頑張らなくてもいいのに、って、思いたくなるくらいに彼は夢を売る仕事に真面目で真摯なアイドルなのです。
今回丸山くんについて話すために、自然と対比して悪く言ったかのようになってしまったアイドルがいるかも知れません。けれど、本当に、そういった意図はないのです。色んなアイドルの形が許されるこの時代に、色んなアイドルが見せてくれる、色んなアイドル像があると思うからです。
特定の1人のアイドルを応援するって、そういうことだと思うのです。良い、悪いじゃなくて、その人の描くアイドル像が好きか、嫌いか。
私は、丸山くんが関ジャニ∞というグループの一員として築き上げた、アイドルという仕事に不真面目でありながら、誰よりも真面目であり続ける姿。たまたま、それが大好きなだけです。
…しかし、普通の人に「どうして丸山くんが好きなの?」と聞かれてこんな話をするわけにもいかないので、やっぱり私はこれからも「お顔がとんでもなく整ってるところでしゅ………」みたいなことしか言えないでしょうね。なんて返すのが正解なんですかね…。
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最早ラブレターなのか何なのかわからない文章になってしまいましたが、なんの話をしているのかわからなくなってきましたので、この辺にします。
最後になりますが、丸山隆平さん、32歳のお誕生日おめでとうございます。
今日1日、この1分1秒を、アイドルとして生きることを選んでくれてありがとう。
想像もつかないくらいしんどい世界に身をおきながら、まるでなんでもないみたいに私たちの前ではおちゃめで可愛いまるちゃんでいてくれて、ありがとう。
たくさんの夢をくれて、ありがとう。
関ジャニ∞は、永遠に少年でいることを許されたグループです。
そんなグループの中で、これからの貴方がどんなふうに歳を重ねていくのか、私は本当に楽しみです。
これからも貴方が心身ともに健やかで、「もうちょっとアイドルでいてやってもいいかな」って思えるくらいに楽しいことがたくさん訪れますように。
そしてどうか、ひだまりのように優しい貴方の住む世界が、貴方にとっても暖かいものでありますように。